女優、高峰三枝子 「犬神家の一族」




あくまでも私の記憶だが、ものごころついてこの映画が出るまでの日本映画は、人気歌手が徳川家の将軍と魚屋の二役を演じるような安っぽいイメージしか残ってなくて、テレビの淀川さんの解説で見るアメリカ映画の豊かさの足元にも及ばなかった。




だから、公開されたときは映画館に行っていない。きっとテレビで見たと思うが覚えていない。しっかり見たとはっきり言えるのは、公開後10年たって(今から20年前)、TBSが、荻昌弘解説の月曜の映画枠で何か話題になった映画の特集をしたときだ。その解説付きのビデオを何回も見たので、最初の記憶が飛んでしまっている。でも、最初のテレビ放映に違いないと思う、驚いて好きになったのは。筋だけ読めば通俗的だが、上等に作られた娯楽作で、隅々まで手がかけられている、脇の俳優さんまで豪華、“日本映画もこんなんつくれるやん!”


お金をかけ、手を抜かず(監督、スタッフ、俳優を選んだことも含め)作れば、人は見に来る。角川さんは一作目しっかり決めたので、次に続いたと思います。




それと、この映画を見るまで、高峰三枝子さんは「三時のあなた」というお昼のワイドショーのちょっと太った司会者、懐メロを歌う昔の女優さんでした、私にとって。今回リメイクされ、今日公開される「犬神家の一族」をご覧になる方は、ぜひ30年前の作品も見てください。高峰さんほか俳優陣、セット、音楽、月並みですが、お勧めです。